にじのかけら

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【煎茶道とは】抹茶道と変わらないおもてなしの心の文化だった。

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煎茶道とは。聞きなれない言葉かも知れませんが、茶道の一種であり、抹茶を中心として振る舞われる「抹茶道」に対して、煎茶や玉露などを中心としたものが「煎茶道」と呼ばれます。

 

煎茶道とは何?

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煎茶道とは、江戸期に成立した、急須を使って煎茶や玉露など様々な種類の茶葉を用いて振る舞われる、少し気軽なお茶会のようなものです。

 

茶せんやお茶碗など、専門の道具を使ったお抹茶とは異なり、少しカジュアル感のあるサロン的な要素を含んでいるのが煎茶道の特徴です。

 

抹茶道と同じく、人と人の繋がりやおもてなしの心を大事にしつつ、文化を楽しむことを目的としていました。

 

煎茶道の始まりと流派

煎茶道の始まりは黄檗宗の隠元隆琦によってもたされたものとされています。

隠元隆琦は現在も京都府宇治市にある萬福寺を開いた僧として名が知れていますが、中国から日本へと来日する際にこの煎茶道も伝えたとされているのです。

 

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他にも隠元隆琦は、インゲン豆や落花生といった食品やダイニングテーブル、400字詰め原稿用紙など、数多くの中国文化を母国から持ち込んでおり、この煎茶道に関しても道具やマナー振る舞いを取り入れました。

 

当時は知識人や文化人の間で特に流行し、出会いやもてなしといった心を大事にしつつ多くの人々がお茶を楽しんでいたようです。

 

そして流派も数多くあり、今も全国に派生しています。

1956年に設立された萬福寺内にある「全日本煎茶道連盟」では2017年には36の流派が加盟していますが、把握しきれていない流派が、実際には何百もあります。

 

また、世襲制ではないことから、家元という制度がなく、新しい流派がどんどん生まれて存在しているようです。

 

お茶の種類に関しても、様々な茶葉、つまり煎茶や玉露だけではなく、紅茶やほうじ茶、時には日本酒なども振る舞われ、流派によっていろいろな作法や特徴があり、人々との交流がなされたのです。

 

おもてなしの文化

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煎茶道、抹茶道どちらにも共通して言えることは、お客様に楽しんでもらう。落ち着いた心休まる空間の演出が重要であると考えられています。

 

「茶道」といえば主に抹茶を点ててお客様をもてなし、人と人の繋がりや感謝の心などを学ぶ文化として、現代でも根付いていますね。

 

亭主はお客様に喜んでもらうため、花やお菓子など、さまざまな空間づくりで、気遣ったりします。そのため、ルールやマナーはありますが、基本的な作法さえ身につければ、心豊かに穏やかな気持ちで楽しむことができるのも、茶道の面白さであると思います。

 

茶道とは何か。その歴史とは。

茶道は「茶湯(ちゃとう)」「茶湯(ちゃのゆ)」とも呼ばれています。

この茶の湯に村田珠光が禅の心を入れたものとして「茶の湯の道」の略称で「茶道」とされています。

 

村田珠光とは室町時代中期の茶人であり、「侘茶(わびちゃ)」の創始者として存在した人物です。

 

鎌倉時代から室町初期の茶の湯の様子

鎌倉時代栄西によりもたらされたのが茶の湯でした。この時から基本的な作法やスタイルは非常に良く似ていて、お客様を招いておもてなしをするという懐石の供応をしていました。

 

南北朝時代になると、産地やお茶の品種を飲み分ける「闘茶」の遊戯も伝わり、室町初期にかけては「茶寄合」と呼ばれる、闘茶の会や賭をしたり酒宴を開くなど、どちらかというと庶民の間で流行した会合も行われました。

 

東山文化

この時代になると、侘びやさびといった風流を主体とした文化が発展していき、どちらかというと上流階級の間で優雅に振る舞われたのが特徴的です。

 

そこで珠光は、庶民の間で流行った賑やかなものとは大きく異なり、静かでもてなしの心を大切にした作法での茶道を目指し、武野紹鷗、千利休により茶道は大成したのです。

 

茶道の流派

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利休の子孫により、茶道にも流派がいくつかに分かれてゆき、三千家と呼ばれる

・裏千家

・表千家

・武者小路家

をはじめとし、その他にも織部流や遠州流など諸派も生まれ、現代でもその心そのままに茶道の歴史は紡がれていきました。

 

煎茶道と抹茶道の違いとは

煎茶道にしても抹茶道にしても作法やマナーは異なるものの、お客さまへのもてなしの心やお互いを思いやれる穏やかな時間の共有という面では同じです。

 

急須で様々な茶葉を用いてのむ煎茶道。

専用の道具を使い、抹茶を点ててのむ抹茶道。

お茶を楽しむ日本人の心。

いつまでも大切にしていきたいですね。

 

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