2024年に刷新される、日本のお札。2004年以来、約20年振りの変更となります。
2020年現在
一万円札 福沢諭吉
五千円札 樋口一葉
千円 野口英世
2024年から
一万円札 渋沢栄一
五千円札 津田梅子
千円札 北里柴三郎
それぞれ何をして功績を残した人物なのか。
分かりやすく解説します。
お札の登場
そもそも、お札が登場したのはいつなんでしょう。起源は1661年越前藩が初めに発行した「藩札」にあります。全国的に人々に流通したのではなく、諸藩、旗本の領内で発行し、流通したお札です。
貨幣はよく教科書にもでてきた「和同開珎」「富本銭」などでもおなじみですが、紙幣が使われるようになったのは、この藩札が始まり。
その後の1871年、大阪に造幣局をつくると、混乱をなくし、しっかりとした貨幣制度を作ろうということで「新貨条例」が作られました。
そして伊藤博文により、新硬貨が作られ、円・銭・厘の十進法が採用されたのです。
歴代のお札の顔
ここで歴代のお札の顔をご紹介します!これまでに一体誰が肖像画として選ばれたのでしょうか。
神功皇后
菅原道真
武内宿禰
和気清麻呂
藤原鎌足
聖徳太子
日本武尊
二宮尊徳
板垣退助
岩倉具視
高橋是清
新渡戸稲造
夏目漱石
紫式部
福沢諭吉
樋口一葉
野口英世
びっくり!こんなにもいたのね!
日本で初めて肖像画として登場した神功皇后にはじまり、聖徳太子なんかは最も登場回数が多い7種となっています。
大人気ですね。
一万円札 「資本主義の父」渋沢栄一
それでは今回新しいお札の顔となる、3人の人物像を追っていきましょう!
まずは渋沢栄一。1840年生まれの埼玉県の豪農出身で、一橋家、幕府に仕えた実業家です。7歳で「論語」を読んだという驚きの人物。
1867年にはパリ万国博覧会幕府使節団の1人として、欧州を視察。そこで海外の最先端の知識を得ます。
その後明治政府の「大蔵省」に出仕し、国立銀行条例を制定。ここで、税制、幣制改革にあたっていました。
退官後は第一国立銀行(現みずほ銀行)や大阪紡績会社、王子製紙など、約500もの会社を設立しました。
まさに「日本の資本主義の父」とよばれるだけあるね!
官僚として、様々な体系を確立しており、
・度量衡の統一
・租税制度
・郵便制度
の導入などに関わりました。
実業家として、そして教育・社会事業にも尽力をつくした渋沢栄一が今回の一万円札の顔に選ばれたのです。
そしてこの紙幣の裏はというと、「東京駅丸の内駅舎」が採用されました。
五千円札 「女子教育の先駆者」津田梅子
ここで女性の登場です。熱心な教育であったといわれる津田梅子は1864年江戸牛込の出身です。
彼女は「女子教育の先駆者」といわれる強者で、6歳の時、岩倉使節団とともに、アメリカへ渡りました。
岩倉使節団といえば、条約改正の交渉のため、岩倉具視を筆頭に木戸孝允、大久保利通、伊藤博文、山口尚芳を副使として向かいましたが、そこに5名の女子留学生が同行しました。そこに津田梅子もいたのです。
約10年間、現地でアメリカの生活や文化などを学び、帰国後は伊藤博文の勧めで英語教師として働きました。
再度留学し、帰国した際に、奨学金制度(日本婦人米国奨学金)委員会を設立。
資金不足で勉強出来ない、留学も夢のまた夢…
そんな女性の為にアメリカ留学中に寄付金を集め、25人もの日本人女性の留学という夢を叶えたのです。
そして、1900年、女子英学塾(のちの津田塾大学)を設立するに至りました。
女子教育。英語教育に力を入れた、アクティブで今どき、男女の差を感じることの無い世の中を。それが強く印象に残るのが、津田梅子という人物像です。
そして新五千円札裏の絵は「藤の花」です。
千円札「細菌医学の父」北里柴三郎
最後に「日本の細菌医学の父」と呼ばれた北里柴三郎です。
1853年生まれの熊本県出身。
熊本医学校、東京医学校を経て、1986年ドイツに留学をします。その時細菌学者であるロベルト・コッホに師事し、その2年後、「破傷風菌」の純粋培養に成功します。
血液中から破傷風菌の毒を弱める、抗体を発見した彼は、病気の治療や予防ができる、「血清療法」を可能としたのです。
「破傷風」といえば、今も三種混合などの予防接種で打たれているもので、大変な発見でありました。
1892年には、福沢諭吉の支援をうけて、伝染病研究所を設立。
野口英世もそこに勤めたといいます。ここにもお札の顔になった人々の登場です。
ここでも伝染病や細菌学についての研究を進め、翌年には土筆ヶ岡養生園を開設。
次は結核予防や治療についての研究を進めます。
1894年にはペスト菌を発見。
そして、1914年、「北里研究所」を設立するに至りました。
コッホとの出会いもあり、細菌医学の研究、そして予防医学の研究に尽力をつくした北里柴三郎は、医療界に大きな功績と実績を残し、影響を与えた人物でありました。
そしてこの千円札の裏はというと、葛飾北斎の富岳三十六景から「神奈川沖浪裏」が採用されています。
まとめ
こうして、2024年の新しいお札の顔として
渋沢栄一・津田梅子・北里柴三郎の偉大なる功績により選出されました。
ちなみに500円硬貨も2021年に素材が変わります。
今までのニッケル黄銅+白銅と銅を混ぜた2色3層のものにチェンジします。
少しづつ変更しながら、偽造防止など、きちんと対策がとられているんですね。
新しいお札。はじめは混乱しそうですが、楽しみでもあります。
3人の偉人たちについては読みやすいマンガでも紹介されていますので、ぜひこちらも参考に!
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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