にじのかけら

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平安時代にバズったスイーツはどのようなものだったのか。

 

平安時代(794年〜1185年)といえば、十二単を身に纏った貴族が歌を読み、踊りを楽しんだりと、とても優雅なイメージがあるかと思います。

そんなおしゃれな貴族の方々が食べていたお菓子。気になりませんか?

今回は平安時代に流行ったお菓子や文化について触れていこうと思います。

 

平安時代のデザート

平安時代のデザートと聞いてあまりピンとくるものがないかもしれませんが、意外とその種類は豊富だったようです。料理はイマイチだったようですが、デザートだけは美味しいものが多かったようですね。

 

なんとなく和菓子のようなイメージもあるかもしれないですが、木菓子と呼ばれる栗や柑橘などの果物や、揚げ菓子、唐菓子、芋粥などがありました。

 

唐菓子は米粉や小麦粉を使い、油で揚げた加工食品ですが、これは中国伝来のお菓子として有名です。手が込んだものでもありますから、唐菓子は公家の儀式で用いられたり、宴席で登場したりと、少し特別なものでもあったようです。

 

一口に唐菓子と言ってもさまざまな種類がありました。

全て最後に油で揚げることに変わりはないのですが、しっかりこねて形を作り、シナモンをきかせてみたりと工夫がされていました。米は使ってはいませんでしたが、煎餅のようなものもあったと言います。

 

平安貴族が食べたスイーツ

枕草子でも出てくる一説の中に、

 

あてなるもの

薄色に白襲のかざみ

かりのこ 削り氷にあまづらいれて

あたらしきかまなりに入れたる

水晶のずず藤の花

梅の花に雪の降りかかりたる

いみじううつくしきちごのいちごなどくひたる

 

 

という記述があり、その内容が、

上品で美しいものとしてかき氷に甘葛(あまずら)から作った甘味料を混ぜて食べた

というものだったのです。

このかき氷を金属のお椀に入れて食べたというので、器にも涼を感じさせる工夫があったことがわかります。

 

甘味料としてこのような植物が使われるのは、まだまだ砂糖や蜂蜜といったものは高級品で、あまり一般的に手に入るものではなかったこともあったためです。

 

当時「菓子」として登場するものは、現在のような甘いものばかりではなく、このようなかき氷や果物、もちなども全て菓子として表現されていたと考えられています。

 

文学作品に登場するお菓子

文学作品が多く生み出された平安時代。

その多くの作品の中で登場したお菓子はどのようなものだったのでしょうか?

この頃の有名作品といえば、土佐日記や源氏物語、枕草子に宇治拾遺物語など多くの名作が生まれました。

 

これらの作品の中で登場する菓子

・ひろき餅

・餅だん

・麦縄

・かいもち

・芋粥

・椿もち

と言ったもので、多くのものが揚げ菓子や餅をベースにしたものだったようです。

 

儀式や宴席だけではなく、日常的にも揚げ菓子は流行っており、揚げ菓子専門店のようなものまであったとも言われています。

 

延喜式に見るデザート

当時の様子を伝えている「延喜式」によると、梨、麹、なつめといった「木菓子」が季節に応じて使われており、やはりここでも出てくるのですが、粉を練って焼いた煎餅などもよく食べられていたという記述があります。

 

やがて酪農が盛んになると、牛乳を粥にした「酪」や、それをさらに濃縮させた「蘇」をデザートにして楽しんでいたようですね。

 

まとめ

平安時代はこうしてみてみると、煎餅や揚げ菓子、餅が主流であったと考えられます。スイーツというより、どちらかというと、おやつ感覚のものが多かったようですね。

枕草子でも出てきた「甘葛」はこの書物の中ではかき氷のシロップがわりに使われていました。

シロップ一つを作るにも、植物を採取し、煮詰めるなどして大変手の込んだものとなっていますから、高級品であったことは変わりなさそうです。

どの時代であってもスイーツは喜ばれ、人々の楽しみとなっていたようですね。

 

 

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