にじのかけら

歴史大好きなママブログ。精一杯どんなことでも楽しんで生きぬいていこう。

【化政文化】とはどんな文化だったのか。

f:id:Daisyribbon:20210628112408p:plain

今回は文化・文政の時代(1804年〜30)を中心とした化政文化について簡単に理解していきましょう。

 

江戸時代後期にあたるこの頃は、都市の発達や庶民の暮らしの安定など、さまざまな面で落ち着きを見せる頃でありました。

 

寛政の改革により文化や政治の面でも多くの取り締まりや規制を受け、自由に表現するのが難しかったのですが、化政期になると、特に芸術面での発達が大きく見られたのです。

 

ポイント!

・札差層が生み出した江戸町人による新しい文化

・江戸っ子、粋などを意識した生活スタイル

・江戸時代の経済的発展の最盛期

・芸術分野の飛躍的発展

 

化政文化は元禄期の上方文化とは異なり、江戸を中心とする町人文化でした。

 

 

daisyribbon.com

 

では、その背景を見ていきましょう!

 

 

化政期の様子

 

当時の流行

当時の史料、国学者斉藤彦麿の随筆「神代余波」によると、

安永の頃までは、男の体、月代大きく、髪短く、元結多く巻て、衣袴も羽織もゆきたけみじかく、帯巾狭かりしを、天明の頃より、月代ちひさく、髪長く高く、鶴首の如く結ひ、衣羽織たけ長く、帯幅広く、鼻紙入も小菊紙、二ツ折にして入べく広くして、いふ詞も、言を略きて聞取がたきを通言といひ、さる人々を、通人とも、大通ともいへり。‥

と記されており、当時のファッションや言葉遣いなど、世相がよくわかる題材となっています。

 

流行に敏感であり、移気。正義感が強く、さっぱりとした性格

江戸っ子の意識が育ったのもこの時代の特徴の一つでもありますね。

 

 

 化政文化の発祥

元禄文化では上方が中心として発展した文化でしたが、化政文化では、札差層による新しい生活様式が中心となって芽生えました。

 

札差とは、旗本や御家人の蔵米の換金をおこなう商人のことですが、江戸を中心とした経済的な繁栄により、発達しました。

化政期は江戸時代の中でも特に経済や文化が発展した時期とも言えます。

 

こういった商人から発展していった経済や文化は、富裕町人、下級武士などに浸透していき、一般市民にもどんどん広がりをみせつつ、新たな気風として形成されていきます。

 

つまり江戸を中心とした、商人層による経済・文化の発展

が化政文化のキーワードとなっています。

 

化政文化の特徴となる作品

特に注目すべきは、芸術分野が特に発展したところにあります。

 

読本

知識人を中心として主に読まれましたが、テーマとなるのは庶民の日常生活が多くあったので、わりと身近であったので、読者も多く、人々に親しまれました。

 

その有名どころというと、

読本  曲亭馬琴『南総里見八犬伝』

滑稽本 十返舎一九『東海道中膝栗毛』

人情本 為永春水 『春色梅児誉美』

合巻物 柳亭種彦『偐紫田舎源氏』

 

などが挙げられ、これまでの黄表紙・洒落本といったものが、このような滑稽本・人情本に移り変わっていったのですね。

 

絵画 

葛飾北斎  『富嶽三十六景』

安藤広重  『東海道五十三次』

 

どちらも有名どころですよね。

「富嶽三十六景」は、浮世絵師である葛飾北斎の風景版画であり、人物と風景をわけたタッチで描かれている、独自性のある画風となっています。

 

安藤広重も、同じく浮世絵師で、さまざまな日本的な風景版画を基調としており、趣のある作品を多く描いていますね。

 

どちらも庶民の生活に密接した風景画として展開されています。

 

演劇

これまで人形浄瑠璃などが中心であった演劇界は、独自の世界観と劇場音楽の発達により、歌舞伎が大成を遂げました。

年中行事が明確化してきて、上演の形式・劇場の発達や、庶民に親しまれる演目などで、大きく発達したのです。

庶民による尺や筝曲など、劇場音楽の発展とともに影響を与えていますね。

 

一般的に江戸歌舞伎といわれるものですが、有名どころと言えば、江戸三座である、「中村座」「市村座」「森田座」で、今でもなじみのある劇場での公演がされました。

 

その他にも、寄席・曲芸・話芸・軽演劇・物まね……など、民衆芸能として数々発展し、その多くは見世物小屋などでおこなわれ、貧しい町人などでも見ることのできるように、多くの観客が楽しむことができたのです。

 

 

また、普段の生活の中での皮肉や洒落など、風刺のある世界を表現した川柳や、ユーモアに特化した狂歌などが流行り、この中で洗練された感覚を「粋」として、重要視されました。

しゃれっ気はあるが、時には閉鎖間のある気風が強まり、粋という感覚は時代背景を反映するものであったのです。

 

化政文化は庶民の生活様式そのもの

化政文化とは、こうした江戸を中心とした、一般庶民の生活に密着した文化でした。

 

また、生花や茶の湯、句会など、文化的な教養も高まり、納涼・花見・観光地巡りなどなど、現代と同じような、ライフスタイルに固定されたイベントなども楽しむようになったのです。

 

さまざまな規制を受けつつ、「江戸っ子」「粋」など、時代に反映した一般庶民に親しまれた文化といえますね。

 

にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ
にほんブログ村