参勤交代といえば、大勢で江戸に向かう大名行列や、お偉いさんが通る時は端に寄って、行列が通り過ぎるまで頭を下げる。
そんなイメージがあると思います。
実際大名行列をするには
ムダな程に莫大な費用と時間がかかりました。
参勤交代の目的やメリットデメリットなど。
簡単に解説します!
参勤交代とは。将軍さまに忠誠を!
参勤交代とは。
ざっくりいうとこのような感じですね。
単純に「往復させる」という表現ですが、その実現には、数々の難問をクリアしないといけませんでした。
江戸までの交通費。江戸についてからの滞在費の捻出。
宿も予約しているので、必ずその日までに到着しないといけません。
なので、道中はゆっくりのんびり移動してる場合ではないのです。
参勤交代するメリットとデメリット
街道、宿場の発達
1635年(寛永12年)徳川家光のとき、武家や大名向けにつくられた法典。「武家諸法度」にて参勤交代は制度化されました。
これまでも、参勤交代のようなことは行われていたのですが、法制化することにより、行かないと処罰される対象となりました。
軍役として強制的にいかなければいけなくなった参勤交代。
メリットなどあったのでしょうか。
地方からの大移動!徒歩オンリーだし、コンクリートでもないし、大変だっただろうね。
そうそう。でこぼこ道をひたすら歩かないと行けなかったからね。
そこで、全国から大移動するということで、街道や宿場などの整備がとりおこなわれました。
具体的には、五街道の宿駅の整備、参勤交代用に通る橋や道路の建設などが進み、一気に移動しやすくなったんですね。
これは大名行列だけでなく、人々の移動も楽にしたのです。
莫大な費用と長距離の移動
長い長い道のりの表
現在の地方 | 藩 | 石高 | 藩庁 | 道程 | 日数 | 行列規模 | 経費 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
東北地方 | 伊達家・仙台藩 | 63万石 | 仙台城(地図) | 92里(368km) | 8-9日 | 2000-3000人 | 3000-5000両 |
北陸地方 | 前田家・加賀藩 | 103万石 | 金沢城(地図) | 119里(480km) | 13日 | 2000-4000人 | 5333両 |
山陰地方 | 池田家・鳥取藩 | 33万石 | 鳥取城(地図) | 180里(720km) | 22日 | 700人 | 5500両 |
四国地方 | 伊達家・宇和島藩 | 10万石 | 宇和島城(地図) | 255里(1020km) | 30日 | 300-500人 | 986両 |
九州地方 | 島津家・薩摩藩 | 77万石 | 鹿児島城(地図) | 440里(1700km) | 40-60日 | 1880人 | 17000両 |
Wikipediaより加賀藩の家老横山政寛の「御道中記」
この表によると、人数も多く、遠方となると、かなりの費用がかかったことがわかります。
5000両といったら今の5億くらいですから!とんでもなく莫大なお金が動いていたんですね。
あまりに遠方な所である藩には、それぞれ
福岡藩・佐賀藩 2年のうち100日
対馬藩 3年のうち4か月
松前藩 5年のうち4か月
など、必ずしも枠に当てはめた「一年おきに往復」のルールでない藩もありました。
スケジュール調整はぬかりなく
参勤交代はだいたい4月に出発します。その同行者はだいたい武士やかかりつけ医、長距離というだけあって、茶の湯の家元など、生活に必要とされる人々が同行しました。
馬も人も大人数です。
武士などであれば、日々鍛錬しているだけあって体力はあるだろうけれど、そのほかの人々にとっては、長距離の移動なんてとても大変!
準備はぬかりなくおこなわれていました。
有力大名であるほどプライドが高いこともあるせいか、人数も多くなり、
半年ほど前から、予算の調達や、道の偵察、宿の確保などに忙しくなります。
1日にだいたい徒歩で6~9時間の移動、距離にしたら30~40キロほどある道です。
整備された道、橋がかかってる道などを選んで進みます。
宿をしっかり人数分確保することも重要で、予約した日までに到着しないと、キャンセル料も発生してしまいます。
なので、間に合うよう必死で歩きました。
旅行ではなく軍役ですから、やるしかないですよね。
財政難におちいる
徳川吉宗のとき、幕府はかなりの財政難に陥りました。
そこで享保の改革の一環として、大名から石高1万石につき100石を上納させ、そのかわりに、参勤交代で江戸にいる滞在期間を1年から半年にしますよー
という制度がつくられました。上米の制です。
このかいあってか、8年ほどこの制度は続き、潤いもあり、また半年から1年へと戻ることになりました。
まとめ
このように参勤交代は
こんな制度も、大政奉還のおこなわれた幕末まで長く続くことになりました。
忠誠心うんぬんというより、修行の一環ですよね。
今日も読んで下さりありがとうございました!
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