目安箱ってポストみたいなもの?誰でもいれていいのかしら?
もちろん!直接将軍様に届くし、言いたいこといっちゃいなよっ!
ざっくり言うとこんな感じです。
ではこの「目安箱」
どんな役割を果たすものだったのか。
簡単にすぐ分かる!解説をします。
目安箱のルール
目安箱はポストのように、いつでも入れていいわけではありませんでした。
毎月3回ある決められた日に、江戸城竜ノ口評定所前にある箱に入れることがルールです。
書面には住所や氏名を記し、無記名投票は受付不可というものでした。
将軍が自ら開封します
目安箱に入れられた訴状は、将軍自らが開封することにより、直接訴えを聞き入れてもらうことができました。
もし、それまでに誰かに見られようものなら、将軍にお目通りすること無く、速攻で捨てられたりもされていたでしょう。
訴状の内容
大体の内容は、日常の困り事を中心に書かれていました。
どこどこの代官が不正をして困っている。
年貢が高すぎて大変だ!
など、身近な話題もありましたが、特に江戸時代中期にいた浪人山下幸内なんかはもっと深く切り込みをいれました。
吉宗の享保の改革そのものにちゃちゃを入れたのです。
”将軍の決めた経済的改革はいけてない!”
”大名の勝手な行動で、百姓は迷惑している。なんとかして!”
など、改革そのものに批判をしました。
それを目にした将軍は怒るどころか、よくぞ言ってくれた!と山下を評価しほめたたえたのです。
目安箱のおかげで将軍に直接意見を言えるし、なんやったらほめられる。
とても良いアイデアでありました。
目安箱でかなったこと
目安箱の投書に基づいて、実際に叶えられたことがいくつかありました。それは、
・防火制度の整備(江戸市中町火消の制)
・救貧、新田開発
・病院の設置
といったもので、様々な要望に応えていったのです。
その中でも、大規模なものとなったのが、
「小石川養生所」の開設でした。
小石川養生所
目安箱をきっかけにして、享保7年(1722年)に小石川御薬園にできた病院でした。
基本的に、もう看護してくれる人がいない、低所得すぎて医者にかかれない。
そんな人たちのために建てられた病院です。
江戸の町医者小川笙船(おがわしょうせん)の建議によりできたこの病院は、入院メインのもので、
始め40名ほどの受け入れだったのが、後々100名以上と次第に大きな施設となりました。
診療科目としては、本道(内科)、外科、眼科などがあり、はじめは町奉行の管理下で始まったのです。
現在は東大植物園となっています。
2020年行政改革目安箱
現在でも目安箱という名称で学校や行政でも使われていたりしています。
例としてあげると、2020年9月に、縦割り行政の弊害に関する情報を、広く国民から募集するという目的で、「行政改革目安箱」の名称で設置されました。
これも、直接当時の大臣(河野行政改革担当大臣)が読むということでしたが、開設して9時間ほどで、3000件ほどの投稿があったといいます。
昔と違って、オンラインで自宅にいながら便利に投稿できますからね。
このシステムですが、現在は一時受付停止しております。(2020年10月現在)
是非全て目を通してもらって、国民の意見を取り入れて欲しいところですよね。
まとめ
このようにして、目安箱は直接将軍が、庶民の意見を聞いてくれるということで、とても好評でありました。
諸役人たちに隠ぺいされることも無く、直接の本音が聞けたことは、将軍にとってはメリットでもあり、困ったこともたくさんあったでしょう。
現代の目安箱は、しっかりと実のある、メリットのあるものとなって欲しいですね!
では、ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
また次回に!